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第32回 zen café 坐禅会(オンライン配信)



2020年6月20日 オンライン配信 定例坐禅会 担当:zen café 茶頭 Tokushin



第32回 zen café 喫茶夜咄

 「ヘイセイに立ち返る」




1、最近忘れてしまってたことありませんか?


口笛吹いて歩こう 肩落としてる友よ

いろんな事があるけど 空には星が綺麗

懐かしいあの公園にちょっと行ってみようか?

最近忘れてること なにか思い出すかも

~斉藤和義【空に星が綺麗】より~


 平成8年1月1日リリース、斉藤和義さんの「空に星が綺麗」という曲の一節です。日本在住の多くの人にとって、本来ならただでさえ忙しい時期である年度末から新年度にかけての時期に、今回の新型コロナ問題は直撃しました。やらなきゃいけないことは山積み。でも出社出勤は減らしなさい。もちろん健康が一番大事。でも急にリモート?急に新勤務形態?ただ、それでも「やる」と「やる」しか選択肢がない。新型コロナによって引き起こされた事態。それは「やりたくない」「今まで通りを変えないよ」では済まされない事態。その中で、必死に対処対応応対の毎日。目の前の変化についていくので精一杯。それがここ直近の数か月だったのではないかと思います。そしてみなさま各々の立場で骨を折り、懸命に努められたことと存じます。本当にお疲れさまでした。今では緊急事態宣言も明け、6月19日には各都道府県への往来の自粛も解かれました。そろそろどうでしょう?あの懐かしい公園にでも出かけて、目的もなくゆっくりと過ごしてみてはいかがですか?忙しくて、目まぐるしくて、対応に精一杯で、ここのところの生活で忘れてしまってた大事なものが思い出せるかもしれません☆ご存じのように「りっしんべん」は「心」の意味を持つ偏ですので、「忙しい」って漢字は「心」を「亡くす」って字なんです。コロナに振り回され、忙しすぎて無くしてしまってた心のゆとり、忘れてしまってた気持ちのゆとりを思い出しに行ってみませんか?😊公園でこころのゆとりや余裕を持っていた自分の姿を思い出せたなら、その次は周りにもほかの人にも優しくできるのではないでしょうか😃




2、ホセ・ムヒカさんの説く「自由」「幸せ」「優しさ」


 私は「貧しい」と言われています。それは違うのです。質素なだけです。【中略】私にとって重要なモノがあるのなら、十分なのです。質素である方が、本当にしたいことをする時間をつくれます。釣りをする、遊ぶ、毛糸を編むことなど、それぞれに大切に思う人がいるでしょう。あるいは友人と遊ぶことが好きという人もいます。そういう時間を過ごすことこそが「自由」であるということです。【中略】ほかの人に強制することなく、ほかの人の考え方を阻害することなく、それぞれの人の考えを尊重した中で、自分がやりたいようにできること、ほかの人がやりたいようにできること。それが自由です。

~国際情勢研究会編「世界で一番貧しい大統領と呼ばれたホセ・ムヒカ」より~


 元第40代ウルグアイ大統領ホセ・ムヒカさんが2016年に初来日し、東京外国語大学で行った講演の一節です。この時の演題は「日本人は本当に幸せですか」だったそうですが、コロナ騒動に応対する中で神経をすり減らし、「自粛警察」などという言葉も生まれ、どこかピリピリムードと疲労感の漂う、今の我々の状況に対しても胸に落ちる語りかけではないでしょうか。

 ホセ・ムヒカさんは現職時に世界で一番貧しい大統領と呼ばれていました。それは、大統領在任中の給与の大部分を財団に寄付し、ウルグアイ国民の平均所得に近い月1000ドルほどで生活していたこと。大統領公邸に住まず、郊外にある倉庫に毛が生えたような農家に住み続けたことなどから、そう呼ばれるようになったそうです。ちなみに、とても人を呼べるような家ではないので、外国からの客人を招待するときは、友人の家を迎賓館代わりに使っていたそうです。

 そんなホセ・ムヒカさんはモンテビジオの貧困家庭で生まれ育ったそうですが、日本人とも縁があり、その生家のそばには10~15軒ほどの日本人移民団の家族が住んでいたそうです。特に幼少期のムヒカさんは、その日本人家族が農業をする中で、相互扶助をしながら助け合い、尚且つ生産性を上げる姿を見て感動し、日本人に畏敬の念をおぼえたそうです。その後大学生となったムヒカさんは、医師を目指して学業を続ける傍らでゲリラ活動にも従事し、4度逮捕され、合計14年近く収監されたそうです。

 そのような経験を経た、世界で一番貧しい大統領ムヒカさんの考える「自由」とか「幸せ」が語られています。「不自由」と「不幸せ」を肌で感じさせられたコロナ自粛期間が解除された今こそ、「自由」と「幸せ」についてもう一度考え、そして少し増えた自由とささやかな幸せとを大切に享受し、これからの日常をにこやかにすごしてみませんか😊




3、その人に似ずして、その風を語ることなかれ


 古人曰く「その人に似ずしてその風を語ることなかれ」と。言う心は、その人の悳(とく)を学ばず知らずして、その人の失なるを、その人はよけれども、その事あしきなり、あしき事をよき人もすると思うべからず。ただその人の徳をとり、失を取ることなかれ。「君子は徳を取って失を取らず」と云う、この心なり。

『正法眼蔵随聞記』巻四


【訳】古人の言葉に「その人でもないのに、その家風を語ってはならぬ」とある。その意味は、その人の徳を学びもせず、知りもせず、その人の欠点をあげつらって、立派な人だがこういう欠点があるとか、立派な人だがあの事は善くない、などと思ってはならぬ、ということである。ただその人の徳を認め、欠点をあげつらってはならない。「君子は徳を取って、失を取らず」と言うのはこの意味である。

~大谷哲夫編 「道元一日一言」より~


 『正法眼蔵随聞記』とは、日本曹洞宗の開祖道元禅師が説かれた日々の説示を、直弟子であり、永平寺二世にその名を連ねる孤雲懐奘禅師が筆録し、それをもとに、懐奘禅師の弟子たちがまとめ、成立したとされる書物でして、特に平易な文体で仏道を学ぶ者の心得が説かれているという特徴があります。ですので、ここにあげた一節は、道元禅師が当時説かれた言葉と伝えられるものです。これを現代の私たちに落とし込んで言うならば、「揚げ足を取ったりするのではなく、その人のいいところに目を向けてお付き合いしなさい。」といったところでしょうか。そして、他人のいいところを見つけるためには、まず自分のこころに余裕が必要となります。せっかくコロナの一件もだんだんと落ち着きつつあります。公園のお散歩でもいいですし、それこそ坐禅でもいいですが、まず自分自身のこころを落ち着けて、ゆとりを持ってひとのいいところを見つけて、このコロナの沈静化に伴って、私たちのこころのイライラの沈静化もだんだんと図ってみてはいかがでしょうか😉




4、誰も悪くはないさ きっとそういうもんさ


口笛吹いて歩こう 肩落としてる友よ

誰も悪くはないさ きっとそういうもんさ

口笛吹いて歩こう 空には星が綺麗

~斉藤和義【空に星が綺麗】より~


 再び斉藤和義さんの「空に星が綺麗」という曲の一節です。ここの「誰もわるくはないさ きっとそういうもんさ」という表現がとても好きです。これは、目の前の問題から逃げているわけでも無く、一旦しかと受け止めた上で、最終的には「誰も悪くない」「人生ってそういうもんでしょ」というポジティブな心持ちに落ち着いている様が感じ取れます。

 思えばコロナ前、平成の頃の自分のこころは平静だったなぁ。周りのひとにも優しくできてたなぁ。今はなんで誰も悪くないのにイライラピリピリしてしまうんだろう??なーんて思ったりもするんです。でも「人生って山あり谷あり。もともとそういうもんさ」と思うと、心のざわつきがグッと減っていく実感があります。これからの行動はいわゆる「新しい生活様式」を進めていこう!というわけですが、ハートは「平成の頃のあの平静」に立ち返ってみませんか?きっと今夜の星もあの頃と変わらず綺麗ですよ😃



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文責:Tokushin


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